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書を追究 原爆を伝えて 書家の森下さん 安田女子大で被爆体験語る

 被爆者で書家の森下弘さん(86)=広島市佐伯区=が6日、安佐南区の安田女子大で書道学科の学生約100人に被爆体験や平和活動について語った。

 広島一中(現国泰寺高)3年の時、爆心地から約1・5キロの学徒動員先で被爆した。母親を亡くし、自身も生死をさまよった。

 書家として原爆詩を書で表現し、詩作に励みながら、平和活動にも参加。1964年には、原爆投下時の米大統領トルーマン氏と面会するため被爆者一行に加わった。

 書の道を志す後輩には「自分の思いを自分の技法で書くことを追究し、原爆の悲惨さなどを次世代に伝えてほしい」と呼び掛けた。

 原民喜の原爆詩の作品を制作している2年小新田春奈さん(19)は「被爆者ではない自分がうまく表現できるのかと葛藤があったが、詩に向き合って伝えようという思いが強まった」と受け止めた。(新谷枝里子)

(2017年7月7日朝刊掲載)

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