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エネ計画 原発の新増設 「対象外」 自民 山本調査会長言及

 自民党資源・エネルギー戦略調査会の山本拓会長(衆院比例北陸信越)は7日までに中国新聞の取材に応じ、本年度に見直しが検討される国のエネルギー基本計画について「原発の新増設は対象外だ」と述べ、自民党案として新増設の必要性を盛り込むことに否定的な考えを示した。

 基本計画は国のエネルギー政策の中期的な指針。見直しを閣議決定するには、与党の了承が必要になる。新増設の必要性が示されなければ、中国電力が目指している上関原発(山口県上関町)の新設にも影響する可能性がある。

 山本氏は「新増設の前に、国の責任として放射性廃棄物や自治体の避難計画の問題がある」と指摘。まずは使用済み核燃料の最終処分場が決まっていない課題などを解決すべきだとした。

 東京電力福島第1原発事故後、独立性の高い原子力規制委員会が発足したことに触れ、新増設について「政治が関与する権限がなくなった」とも説明した。

 現在の基本計画には新増設の必要性は明記されておらず、政府は「想定していない」としてきた。ただ、原発の運転期間を原則40年とすれば、政府が示す将来の原発比率を達成できない。電力業界には新増設が明記されることに期待する声もある。

 基本計画は3年ごとに見直しが検討される。今回、新増設が盛り込まれなくても、さらに3年後に再び議論される可能性もある。安倍晋三首相が今後新たな方針を打ち出せば、官邸主導で議論が進むケースも想定される。(河野揚)

(2017年7月8日朝刊掲載)

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