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芸備線で運んだ被爆者 励ましかなわず 元国鉄マン 白木で講演

 広島市安佐北区の白木公民館で7日、被爆直後にけが人を貨物列車で運んだ元国鉄の車掌で、被爆者の河原謹吾さん(91)=安芸高田市=の講演会があった。住民27人が平和の大切さを学んだ。

 河原さんは19歳のころ、爆心地から2・1キロ離れた広島駅近くで被爆し、背中にやけどを負いながら、芸備線の貨物列車に負傷者を乗せて各駅に運んだと説明。「被爆者を励まし続けたが、亡くなる人も大勢いた。夢や家族を失う原爆の悲惨さを忘れてはいけない」と述べた。

 同館の連続講座「しらき大人の学び舎(や)」の一環。近くの田川邦明さん(69)は「命の尊さを伝えていくことが、平和な社会の実現につながると実感した」と話した。(中川雅晴)

(2017年7月8日朝刊掲載)

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