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日本被団協、決意新た 訴え61年「道筋見えてきた」

 日本被団協は8日、「核兵器禁止条約」の採択を受けて東京都内で記者会見を開き、「原爆被害者にとって誠に大きな喜び」と歓迎する声明を公表した。結成から61年間訴えてきた核兵器廃絶の「道筋が見えてきた」として、悲願の実現に向けた決意を誓っている。

 田中熙巳(てるみ)代表委員(85)たち役員5人が声明を発表した。広島で被爆し、母と妹を奪われた岩佐幹三顧問(88)は「原爆被害で亡くなった人たちの死が無駄ではなかったと明らかになったように思えた」と感無量の様子。「その人たちの名誉が回復されるのは核兵器が本当になくなった時。それまで老骨にむち打ち、草の根の運動を進める」と語った。

 田中代表委員は8日未明まで、国連のホームページで条約の制定交渉会議の様子を見守ったという。「採択後の演説で各国が広島、長崎の被害や被爆者の役割に触れてくれた。大きなヤマを一つ越えた」と喜びをかみしめた。一方、日本の国連大使が条約に署名しないと述べたことについて「情けない。これからも核兵器はいらないとの世論を喚起していかないといけない」と話した。(田中美千子)

(2017年7月9日朝刊掲載)

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