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被爆ピアノ 音色温か 防府 ジャズバンド演奏会

 広島市で原爆が投下された爆心地から1・8キロの民家にあった「被爆ピアノ」の演奏会が8日、防府市のルルサス防府であった。連合山口の主催で、市民たち約130人がピアノを交えたジャズの温かな音色に聞き入った。

 ピアノは、学徒動員中に被爆した女性(90)=広島市中区=から、全国で被爆ピアノの演奏会を企画するピアノ調律師、矢川光則さん(65)=同市安佐南区=が譲り受けた。表面には爆風で吹き飛ばされたガラスが刺さった跡が生々しく残る。

 今回の演奏会のために結成したジャズバンド「ARKYS(アーキー)」が、サックスやドラムと一緒に「A列車で行こう」などを演奏し、会場は手拍子で応えた。

 4歳の頃に入市被爆した林三代子さん(76)=防府市=は「音色に、平和を訴える強い力があった」と話していた。(原未緒)

(2017年7月10日朝刊掲載)

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