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被爆樹木保存 補助制度盛る 広島市の国要望

 広島市は10日、2018年度の予算編成を本格化させる国への要望項目を明らかにした。被爆樹木の保存に対する補助制度の創設を初めて盛り込む。被爆から72年が過ぎ、原爆の惨禍を後世に伝える狙い。

 市議会の大都市税財政・地方創生対策特別委員会で報告した。市は昨年度、市内の被爆樹木全161本の樹勢を調査。6割を占める95本は健全だが、4割の66本は生育状態に何らかの問題があると診断された。市平和推進課は、国が昨年度始めた被爆建物の補助制度の拡充とともに「建物と同じように被爆の実態の物言わぬ証人。民間の所有者もおり、補助金を要望する」としている。

 また、市が独自に養成している被爆体験伝承者については、国の事業として国内外への派遣を要望。放射線影響研究所(放影研、南区)の早期移転の方向性を出し、18年度予算に移転に関する調査費を計上するよう求める。

 市の要望は全30項目。松井一実市長たちが今月内に上京し、各省庁の担当者や地元選出の国会議員に説明する。(渡辺裕明)

(2017年7月11日朝刊掲載)

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