×

ニュース

艦載機移転 容認を伝達 山口知事や岩国市長 官房長官らと会談

 米海兵隊岩国基地(岩国市)へ空母艦載機61機が移転する計画を巡り、山口県の村岡嗣政知事と岩国市の福田良彦市長たちは11日、菅義偉官房長官や外務、防衛両相と都内で会談し、移転容認を伝えた。移転後を見据えた安心安全対策や地域振興策も重ねて要望した。

 村岡知事と福田市長、基地周辺の椎木巧・山口県周防大島町長、米本正明・同県和木町長たち計9人が首相官邸と外務、防衛両省を相次いで訪問。菅官房長官と岸田文雄外相、稲田朋美防衛相にそれぞれ面会し、米計画で今月中にも始まる艦載機の移転受け入れを伝えた。菅官房長官は「容認いただき感謝する」と述べた。

 各会談では、①万全な騒音対策②安全な運用を米側に要請③米軍構成員による犯罪、交通事故の防止④市町向けの米軍再編交付金や県交付金の拡充など―の4項目の要望書も提出。岸田外相は「米軍機の安全確保や騒音防止に最大限の配慮がなされるよう米側に強く働き掛ける」、稲田防衛相は「安心安全対策、地域振興策に全力で取り組む」などと応じた。

 会談後、村岡知事は要望について「われわれの思いはしっかりと受け止めていただいた」と述べた。

 艦載機移転を巡っては福田市長が6月23日、周防大島、和木両町長が同27日に容認を表明。村岡知事も同30日に受け入れる考えを明らかにした。移転が完了すれば岩国基地の米軍機は約120機に倍増し、米空軍嘉手納基地(沖縄県)の約100機を超えて極東最大級の米軍基地となる。(松本恭治)

米空母艦載機移転計画
 在日米軍再編で、艦載機61機が米海軍厚木基地(神奈川県)から米海兵隊岩国基地へ移転する計画。厚木基地周辺の騒音軽減などを目的に、日米両政府が2006年5月に合意した。当初計画では機数は59機とされたが、日本政府は61機に増えるとみる。艦載機とともに米軍人約1700人、軍属約600人、家族約1500人の計約3800人も移り、岩国基地の米軍関係者の総数は1万人を超える見込み。

(2017年7月12日朝刊掲載)

年別アーカイブ