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騒音苦情 1日で155件 岩国上空 米軍機飛行訓練

 岩国市中心部の上空で10日夜、米海兵隊岩国基地所属機が訓練した。同市には1998年の夜間離着陸訓練(NLP)を除き、1日当たり過去最多となる155件の騒音苦情が寄せられた。中国新聞の取材に対し、在日米海兵隊を統括する第3海兵遠征軍(司令部・沖縄県)は11日、ステルス戦闘機F35Bが訓練していたことを認めた。

 住民によると、午後6時半から同10時ごろまでにかけ、複数の米軍機が市街地上空を飛行。「旋回していた」「尋常でない音」などの目撃情報が相次いだ。

 市への苦情は10日午後6時までに5件、その後同10時半までに「低空を飛んでいる」などの内容で150件あった。滑走路北側にある市の騒音測定器は、70デシベル以上で5秒継続の騒音を同日午後6時以降に計21回測定。最大値は地下鉄車内と同水準の90・7デシベルだった。

 苦情は同市の山間部の周東町や美和町からもあった。基地から直線で約30キロ離れた周防大島町中央部の住民も町に苦情を寄せた。

 福田良彦市長は11日に都内で会談した防衛、外務両相に「人口密集地の上空の飛行を控えることなどを強く米側に要請してほしい」と申し入れた。

 取材に対し第3海兵遠征軍は「合意に基づく訓練ルートを飛んでいる。地域への影響を最小限にする努力をしている」と回答した。(馬上稔子、藤田智、余村泰樹)

(2017年7月12日朝刊掲載)

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