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被爆体験・証言 ネット配信強化 追悼祈念館

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は、インターネットを通じた被爆体験の発信を強化する。長崎市にある追悼祈念館とともに約13万編の被爆体験記と約1600編の証言映像を所蔵する一方、ネットで公開しているのは各50編程度。本年度中にいずれも倍増させる。

 広島と長崎の両祈念館は2008年、共同でウェブサイト「平和情報ネットワーク」を開設。被爆体験記や証言映像を中心に日本語、英語、中国語、韓国・朝鮮語の4言語で紹介している。

 しかし、体験記の筆者や証言映像に登場する本人にネット公開の承諾を得たり、翻訳したりする作業に時間がかかり、更新は停滞。昨年度までに体験記9編、証言映像48編しか公開されていなかった。

 両館の運営に関する国の検討会がことし3月、ネットの積極活用を提言。これを受け、広島の祈念館は本年度、日本語版を先行して拡充することを決めた。4月以降に体験記37編を加えたほか、証言映像は今月中に20編を追加する。来春までにそれぞれ100編程度まで増やし、徐々に翻訳作業も進める。

 祈念館は「今後も体験記を追加するペースを維持し、被爆の実態を広めたい」としている。平和情報ネットワークhttp://www.global‐peace.go.jp/(田中美千子)

(2012年8月27日朝刊掲載)

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