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条約制定 核廃絶さらなる声 8・6式典 82ヵ国・EU出席へ

 広島市は12日、原爆の日に平和記念公園(中区)で営む平和記念式典の概要を発表した。核兵器禁止条約の制定後、初の式典。現時点で過去3番目に多い海外82カ国政府と欧州連合(EU)の代表が出席する方向で、核保有6カ国を含む。条約制定をてこに廃絶を目指す被爆地の声を、世界へ届ける機会になる。

 市は157カ国に式典の案内状を送り、核を持つ9カ国では英仏ロとインド、パキスタン、イスラエルの大使たちが出席すると回答。トランプ政権に交代した米国や、中国、北朝鮮は返事がない。これらを含む未回答は27カ国。最終的には、オバマ前米大統領の広島訪問後だった昨年(91カ国)程度になる可能性がある。国連からグテレス事務総長の代理として中満泉・軍縮担当上級代表(事務次長)が出席する。

 式典は例年通り午前8時に始まり、45分間の予定。耐震補強工事中の原爆資料館本館に仮囲いがあるため会場が狭く、座席を昨年より3600席減らして7300席にし、大型テントで覆う。会場そばの広島国際会議場のヒマワリ(600席)に加え、初めてフェニックスホール(1500席)でも式典の中継映像をスクリーンに映し、座席減を補う。

 都道府県の遺族代表は37人で、昨年と並び過去最少になる。

 「平和の鐘」を突く遺族代表は西区の井口小教諭木村陽己(ようこ)さん(39)、こども代表は安佐南区の中筋小6年紀平鵬裕(ともひろ)君(12)に決まった。この日、「平和への誓い」を読む西区の大芝小6年竹舛直柔(なおなり)君(11)、安佐南区の中筋小6年福永希実さん(11)とそろって市役所で記者会見。紀平君は「世界から核兵器がなくなるように願って鐘を鳴らしたい」と話した。(岡田浩平)

(2017年7月13日朝刊掲載)

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