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伊方原発差し止め抗告審 12月上旬 決定見通し 広島高裁

 昨年8月に再稼働した四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めの申し立てを却下した広島地裁の仮処分決定を不服として、広島市と松山市の住民4人が決定の取り消しを求めた即時抗告審の第1回審尋が12日、広島高裁であった。野々上友之裁判長は次回9月の審尋などを経て、12月上旬に決定を出す見通しを示した。

 審尋は非公開。住民側は四電が策定した基準地震動(耐震設計の基準とする地震の揺れの大きさ)の合理性を認めた地裁決定を「原発の安全性を真摯(しんし)に検討する意思がない」などと批判する書面をこの日までに提出。四電側は答弁書で「東京電力福島第1原発の事故を踏まえて安全対策を強化しており、地裁決定は相当」などと反論した。

 野々上裁判長は9月13日の次回審尋で、基準地震動の策定経緯や原発の安全性などについて四電側に説明を求めるとみられる。また、双方の再度の主張と反論を10月4日まで書面で受け付け、これらも踏まえて決定を出す考えを伝えた。

 広島地裁は福島第1原発事故後に策定された原発の新規制基準についても合理的などとして住民側の申請を却下。住民側が4月に即時抗告していた。(有岡英俊、柳本真宏)

(2017年7月13日朝刊掲載)

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