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原爆の日 片渕監督トーク 「この世界の片隅に」 来月5・6日 

 「原爆の日」に合わせて8月5、6の両日、アニメーション映画「この世界の片隅に」の片渕須直監督を招いたイベントが、被爆建物の福屋八丁堀本店(広島市中区)で開かれる。戦時下の呉や広島を舞台にした同作。映画に込めた思いを、あらためて地元から発信する機会となりそうだ。(西村文)

 昨年11月12日に全国公開され、8カ月余り。日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞をはじめ、国内外の映画賞を次々と受賞した。ミニシアター系の映画では異例のロングランヒットを続け、観客動員は200万人を突破している。

 広島市で映画館「八丁座」と「サロンシネマ」(いずれも中区)を運営する序破急によると、両館では封切りから6月末までに約3万3千人が鑑賞し、過去最高を更新中。現在は八丁座で1日1回上映している。

 8階に八丁座が入っているイベント会場の福屋八丁堀本店は、1929年開店の被爆建物だ。映画の中では、広島の江波(現中区)育ちで子どもの頃から絵を描くのが好きな主人公「すず」が、嫁ぎ先の呉から里帰りし、スケッチに出掛ける場面に登場する。映画は原爆の悲惨さにもさまざまな形で触れている。

 八丁座の蔵本健太郎支配人は「8月6日を目標に上映を続けてきたので、その日に片渕監督を招いてイベントが実現するのは夢のよう」と話す。県外からの問い合わせも多く、「あらためて全国発信の機会に」と意気込んでいる。

 5日午後6時半から、屋上階の「八丁堀SORALA」で片渕監督のトークがある。無料、定員300人。同日午後4時から八丁座で上映の「この世界―」を鑑賞した人が優先で入場できる。映画のチケットは22日発売。

 同9時半からは、八丁座のオールナイト上映で片渕監督を特集。「アリーテ姫」「マイマイ新子と千年の魔法」など4作品を上映し、合間に監督が登壇する。3500円。チケット発売中。残席わずか。

 6日は午後1時15分から八丁座で「この世界―」上映後、片渕監督が舞台あいさつする。映画のチケットは22日発売。八丁座☎082(546)1158。

(2017年7月15日朝刊掲載)

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