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核5ヵ国に訪問要請 広島知事 被爆地で廃絶決意を

 広島県の湯崎英彦知事は18日の記者会見で、米国やロシアなど核兵器保有5カ国に対し、政治指導者の被爆地訪問を求める文書を同日付で送ったと明らかにした。他の国連加盟国にも同様の要請をする考えを示した。憲法改正については、戦争放棄や戦力の不保持を定める9条の理念を「尊重すべきだ」との姿勢を示した。

 要請書は、米ロのほか、英国、フランス、中国の各駐日大使に郵送した。7日に国連の交渉会議で採択された核兵器禁止条約を「多くの県民が歓迎している」と強調。被爆地で原爆の被害に触れ、核兵器廃絶に向けた決意を固めるよう求めている。

 渡航制限のある北朝鮮と、日本を除き、残る国連加盟国186カ国にも月内に同じ文書を送る。湯崎知事は「平和のメッセージ発信の一環。広島市と重層的に取り組む」とした。

 また、憲法改正を巡り、9条1、2項を維持しつつ自衛隊を明記する安倍晋三首相の加憲案については「県として9条の理念を尊重すべきだと感じる一方、自衛隊を国民の多くが信頼する現状がある」と指摘。「国会での丁寧な議論と、国民的議論の喚起が期待される」と述べた。

 2014年8月の広島土砂災害を受け、県と広島市が合同で毎年開いている追悼式について、市が本年度を最後に終了する方向で検討していることには「地元の意向を踏まえ、適切な慰霊の仕方で進めていけばいいと思う」とした。(明知隼二、胡子洋)

(2017年7月19日朝刊掲載)

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