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小頭症被爆者 反戦の願い 広島市中区で作品展

 原爆小頭症の被爆者による絵画や手芸などの作品展が18日、広島市中区袋町の合人社ウェンディひと・まちプラザで始まった。小頭症被爆者や支援者たちでつくる「きのこ会」が初めて企画。会員を撮り続けた市内の写真家の作品もある。20日まで。

 小頭症被爆者8人とその家族が寄せた水彩や色鉛筆画、織物など計33点。小頭症被爆者の川下ヒロエさん(71)=東区=は3年前に92歳で亡くなった母兼子さんをしのび、原爆ドームと母子草を描いた。「原爆でたくさんの親子が亡くなった。二度と戦争を起こしてほしくない」と願う。

 小頭症被爆者は母親の胎内で被爆し、生まれつき知的、身体障害がある。老後の生きがいづくりと小頭症への理解を深めてもらうため、きのこ会が初めて開いた。安佐北区の写真館経営重田雅彦さん(72)が1960年代後半に会員の日常を切り取った31点も並ぶ。

 長岡義夫会長(68)は「今も続く原爆の影響を考える機会にしてほしい」と話している。(野田華奈子)

(2017年7月19日朝刊掲載)

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