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「平和の灯」 完成時の姿に 最新技術の補修工事終了

 被爆72年の原爆の日を前に、広島県コンクリート診断士会とコンクリートメンテナンス協会(いずれも広島市中区)は19日、平和記念公園(同)にある「平和の灯(ともしび)」の補修工事を終えた。ボランティアで取り組み、最新技術を駆使して完成当時の姿に近づけた。

 赤外線やエックス線で内部を調べて補修箇所を特定。6月19日から計6日間の作業で、一部を削って鉄筋にさび止めを塗ったり、コンクリート表面の色合いを完成当時に近づけるため特殊塗料を塗り重ねたりした。最終日は約10人が、腐食を防ぐ強化材を表面に塗布するなどして仕上げた。

 平和の灯は故丹下健三氏の設計で1964年に完成し、幅13メートル、奥行き8メートル、高さ3メートル。管理する市は必要に応じて修復してきたが、詳しい劣化状況は調べていない。同診断士会の米倉亜州夫会長(75)は「8月6日までにできるだけ完成時の姿に戻すように仕上げた。多くの来訪者に見てもらいたい」と話していた。(森戸新士)

(2017年7月20日朝刊掲載)

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