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被爆手水鉢 補修終える 広島市東区の饒津神社

 広島市東区の饒津(にぎつ)神社で20日、補修工事を終えた被爆手水鉢(ちょうずばち)の完工式があった。72年前の「あの日」に思いをはせる場として、参拝者に利用してもらう。

 爆心地の北東約1・8キロにある同神社は、原爆で社殿を焼失。江戸後期の花こう岩製の手水鉢(縦121センチ、横212センチ、高さ93センチ)にも、剝落など被爆の爪痕が残る。ことし1月に水漏れ防止工事を実施。今月、竹筒の給水設備も取り付け、境内の一角にあった戦後の手水鉢の木造屋根を移設した。

 同神社ゆかりの旧広島藩主浅野家の広島入城から400年に当たる2019年に向けた記念事業の一環。完工の神事を営んだ浅野史政権禰宜(ごんねぎ)(45)は「実際に使っていただき、被爆の惨状を感じ取ってもらえれば」と話していた。(林淳一郎)

(2017年7月21日朝刊掲載)

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