×

ニュース

「ゲン」の世界 より近くに 扉絵原画展示始まる 原爆資料館

 原爆投下後の広島を生きる少年を描いた漫画「はだしのゲン」の少年誌連載の表紙(扉絵)とその原画の展示が21日、広島市中区の原爆資料館東館地下1階で始まった。単行本には収録されておらず、原画は初公開となる。12月末まで。

 1973年6月~74年9月に週刊少年ジャンプに載った1話ごとの扉絵とその原画(いずれも複製)で計104点。原爆のきのこ雲を背景に地面に伏せるゲンや、サツマイモを片手に笑顔のゲンの様子などを描く。74年1月の新年号の扉絵には、作者で中区出身の被爆者の中沢啓治さん(2012年に73歳で死去)もたこ揚げをする姿で登場している。

 大阪市から訪れた会社員本田研人さん(29)は小学生の時によく読んでいたといい「人や街が焼け焦げた場面を鮮明に覚えている。原爆の悲惨さをよりリアルに感じた」と話した。(伊藤友一)

(2017年7月22日朝刊掲載)

年別アーカイブ