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被爆体験 1万1375人の記録 広島追悼祈念館きょうから公開 核廃絶の願いつづる

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)は、厚生労働省が2015年度の被爆者実態調査に合わせて全国から集めた1万1375人分の被爆体験記を、28日から館内で公開する。

 全47都道府県の被爆者から寄せられた体験記を61巻にまとめ、仮製本した。うち広島市分が3583人で、他の広島県内分が1595人。長崎市分は1399人、他の長崎県内分は971人。原爆投下直後の惨状や、核兵器のない世界を望む気持ちなどがつづられている。27日、職員が閲覧室の本棚に並べた。

 同館は今後、被爆体験記のデータベース化を進め、22年7月に製本を公開する。1995年と05年の同調査で集めた体験記計9万2983人分はすでに公開されている。

 叶真幹館長は「一人一人の異なる体験を積み重ねてこそ被爆の実態が分かる。高齢となった被爆者の強い思いをしっかり受け止めて残したい」と話している。(野田華奈子)

(2017年7月28日朝刊掲載)

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