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庄原に響け 折り鶴の歌 4日 ジャズシンガー上西さん 板橋小児童らと共演

 原爆の日を前にした8月4日、広島市安佐南区出身のジャズシンガー上西千波(かみにし・ちなみ)さん(東京在住)の歌や朗読でつづる平和コンサートが、庄原市板橋町の学びの森である。地元の板橋小の児童たちも、千羽鶴を題材にした上西さんのオリジナル曲をともに歌い、平和への思いを音楽に託す。(伊東雅之)

 地元の敷信(しのう)自治振興区が午前10時から1時間開く「板橋さとやま学びの森ピースコンサート」。上西さんは、自身が作詞した「ア・サウザンド・クレインズ(千羽鶴)」を、板橋小の全校児童158人と一緒に歌う。

 上西さんは歌の合間に、日系人という理由で太平洋戦争中、カナダの山中の収容所に送られながらも、現地の白人と野球を通して絆を築いていく物語「にじのはし」を朗読する。祖父のいとこで、カナダ生まれの上西功一さん(95)=カムループス市在住=が体験した実話だ。

 2011年から平和への願いを込めたコンサートを開いている上西さん。功一さんの父親が被爆前の広島市の街角や市民の営みを撮影した16ミリフィルムを、功一さんが同市に寄贈したのがきっかけだった。「どんな時代でも子どもは笑い、夢を持てる世界に」との願いを込めて歌ってきた。

 上西さんは「知人の紹介で板橋小とのステージが実現した。美しい自然に囲まれた会場で、多くの人と平和の尊さを感じ合えることができれば」と話している。「この素晴らしき世界」などのジャズの定番曲なども披露する。

 コンサートは無料。当日の駐車場は板橋町の敷信自治振興センター(会場まで徒歩約15分)。雨天時は板橋小に会場を変更。同自治振興区☎0824(72)0571。

(2017年7月28日朝刊掲載)

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