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ハトゥムさん「光栄」 現代美術 ヒロシマ賞授賞式 きょうから個展

 創作活動を通して平和に貢献した現代美術作家を顕彰する第10回ヒロシマ賞の授賞式が28日、広島市南区の市現代美術館であり、レバノン出身のモナ・ハトゥムさん(65)に賞状などが贈られた。

 ハトゥムさんは、パレスチナ人の両親の間にベイルートで生まれた。75年の英国旅行中にレバノン内戦で帰国できなくなって以来、疎外の苦しみや政治的な抑圧といったテーマを映像やインスタレーション(空間構成)、彫刻で表現。ロンドンを拠点に国際的に活動する。

 この日、松井一実市長から表彰を受け、「世界平和のメッセージを伝える大変有意義な賞。とても光栄」と述べた。

 同館で受賞記念展を29日から10月15日まで開く。日本での本格的な個展は初めて。一昨年の受賞決定後に広島を訪れて着想した新作を含め、55点を展示する。

 ヒロシマ賞は市が1989年に創設し、3年ごとに授与する。これまでに米国在住の芸術家オノ・ヨーコさんたち10人が受賞した。(上杉智己)

(2017年7月29日朝刊掲載)

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