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「原発ない社会」 訴え 福島 原水禁世界大会開幕

 原水禁国民会議などの原水爆禁止世界大会が29日、福島市での福島大会で開幕した。東京電力福島第1原発事故から6年が過ぎた今も被災者の生活再建などの課題が山積する現状を報告し、「原発のない社会の実現を展望した運動を進める」とのアピールを採択した。

 会場の福島県教育会館には720人(主催者発表)が集まった。地元代表として登壇した角田政志県平和フォーラム代表は「福島は約6万人が県内外での避難生活を強いられ、住宅支援の打ち切りも進められている。人々の健康不安も大きい」と訴えた。「フクシマを風化させず、脱原発社会実現に向けた運動に取り組もう」と呼び掛けた。

 大会の藤本泰成事務局長は、核兵器禁止条約を支持しない日本政府の姿勢を踏まえ、「核抑止力に頼る姿勢を許してはいけない」と強調。脱原発にかじを切ったドイツやスイスの政策に触れ、「核と人類は共存できない。日本の脱原発へ私たちが何をすべきか、しっかり議論しよう」と提起した。

 住民の生活再建、放射性廃棄物の処理問題などテーマ別の分科会も開いた。大会は今後、会場を広島、長崎市に順次移して来月9日まで続ける。日本原水協などの世界大会は3日、広島市での国際会議で開幕する。(田中美千子)

(2017年7月30日朝刊掲載)

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