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広い地下壕 戦中の面影 呉のフェスタで公開

 海上自衛隊呉地方総監部(呉市)は29日、旧日本海軍の呉鎮守府が使っていた地下壕(ごう)を戦後初めて一般公開した。同総監部でこの日あった「呉サマーフェスタ」の一環。県内外から家族連れたちが訪れ、呉市や海軍の歴史を学んだ。

 地下壕は1945年4月ごろに完成し、「地下作戦室」とも呼ばれていた。主要部分は幅14メートル、奥行き15メートル、アーチ状の天井は最も高い地点で6メートルある。見学者はひんやりした内部に入ると、「広い」と驚きの声を上げて写真を撮っていた。会場では、調査を進めている呉高専(呉市)の学生と教員が地下壕の地図を配り、非公開の地下通路の様子などを解説した。

 神戸市西区から駆け付けた鉄工業溝内一喜さん(68)は「戦時下の作戦室の雰囲気を感じられ、歴史を考える貴重な機会だった。これから建築方法などが解明されるのを期待する」と話していた。同総監部は今後もイベントに合わせて公開する予定。

(2017年7月30日朝刊掲載)

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