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被爆電車で追体験 原爆惨禍・復興の歩み学ぶ

 72年前に被爆した路面電車に乗り、原爆の惨禍や広島市の復興の歩みを学ぶ催しが29日、市内で始まった。当時の塗装を再現したグレーと紺の車両に22人が乗り込み、平和の尊さをかみしめた。

 江波地区で被爆、大破し、2006年まで現役だった653号に乗車。広島駅を出発して広電西広島で折り返し、原爆ドーム前に到着する約70分間のコースを巡った。車内では、原爆で破壊された市街地の様子や、体験を証言する被爆者の映像が大型モニターに流れ、乗客は真剣な表情で見入っていた。

 中国放送と広島電鉄が被爆70年を機に企画し3年目。8月27日まで計8日、1日2便運行する。既に募集を終えている。

 乗車した西区の会社員大田敦史さん(53)は「車窓から見える町並みと、被爆後の焼け野原が広がる映像との対比が印象的だった」と話していた。(三宅瞳)

(2017年7月30日朝刊掲載)

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