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ノモンハン事件「伝える」 浜田で99歳元兵士が体験談

 旧日本軍と旧ソ連軍が1939年、旧満州(中国東北部)とモンゴル国境付近で武力衝突したノモンハン事件を語り継ぐ会が29日、浜田市殿町の浜田護国神社であった。元兵士の柳楽林市さん(99)=出雲市大津町=が市民ら約20人に体験談を語り、平和の大切さを訴えた。

 柳楽さんは38年、浜田市の陸軍歩兵第21連隊に入り、中国大陸へ。39年、旧ソ連軍との戦闘で右腕を負傷した。気温40度を超える戦場を朝から晩まで歩かされたため、のどの渇きがひどく「帰国したら宍道湖の水を全部飲み干してやる、と考えていた」と話した。

 現地では耳元を「シュー、シュー」と音を立てて銃弾が飛び交ったという。「8月に100歳になるが、平和のために、これからも体験を伝え続けたい」と力を込めた。

 遺族たちでつくる「ノモンハンを語り継ぐ会」(坂本文江事務局長)が2004年から開催。体験を語る元兵士は年々減り、14年からは柳楽さん1人となっている。(梨本晶夫)

(2017年7月30日朝刊掲載)

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