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二重被爆の苦悩 孫が発信 長崎の原田さん 広島で紙芝居上演

 広島と長崎で原爆に遭った二重被爆者、山口彊(つとむ)さん(2010年に93歳で死去)の孫で、長崎市の原田小鈴さん(42)が1日、広島市西区であった「被爆3世」をテーマにした催しで、祖父を題材にした紙芝居を上演した。広島では初めて。「広島、長崎で協力し、平和の発信を続けたい」と語った。

 山口さんは72年前、出張先の広島と帰郷後の長崎で相次いで被爆。紙芝居では、燃えさかる広島の街並みや、90歳を前に始めた証言活動の様子などが16枚の絵でまとめられている。

 原田さんは紙芝居の制作者から寄贈を受け、5年ほど前から朗読。この日は来場者約10人に披露し「核兵器廃絶を願った祖父の思いを引き継ぐ」と語った。南区の主婦茂津目(もづめ)恵さん(44)は「被爆者の重く、つらい体験を若い世代が引き継ぎ、発信していく大切さを感じた」と話した。(長久豪佑)

(2017年8月2日朝刊掲載)

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