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沖縄・広島「継承」探る 広経大講演会

 若い世代による戦争体験の継承をテーマにした講演会が8日、広島市中区の原爆資料館であった。広島経済大(安佐南区)の集中講義「広島を学ぶ」(7~9日)の一環。太平洋戦争で原爆が投下された広島と、地上戦の舞台となった沖縄の大学生たちが参加し、記憶を次代につなぐ方策を探った。(新本恭子)

 沖縄国際大(沖縄県宜野湾市)の平和学習支援サークル「スマイライフ」の学生5人が、修学旅行生に戦跡を案内する活動について説明。広島経済大の学生たち約70人が聞いた。

 サークルの渡真利健人代表(20)=那覇市=は「防空壕(ごう)などの戦争の傷痕を一緒に見て、自分にとっての平和を語り合うことが僕にとって『継承』だと思う」と語った。

 普天間飛行場の近くで育った上原継夢(つぐむ)さん(20)=宜野湾市=は「県外の人と話すと、当たり前だった基地の存在がそうではないと知った。案内の活動が平和を考えるきっかけになった」と強調した。

 広島経済大4年の中川さやかさん(22)=安佐北区=は「広島とは全く違う体験をしている沖縄の学生との交流は参考になった」と話していた。

 講演会に先立ち、参加者は原爆ドーム(中区)などを巡ったり、被爆者の証言を聞いたりした。

(2012年9月9日朝刊掲載)

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