×

ニュース

平和願うタペストリー 松江の西尾さん 原爆展で展示

 松江市は城西公民館(同市堂形町)で、ヒロシマ、ナガサキの惨状を伝える原爆展を開いている。併せて、多くの同級生を原爆で亡くした同市比津が丘の西尾幸子さん(85)のタペストリーも飾られている。9日まで。

 原爆展では、きのこ雲や投下直後の広島、長崎市内の写真、被爆者が描いた絵などのパネル18枚を展示。証言を収録したDVDを流し、折り鶴コーナーも設けた。2014年から毎年1カ所、公民館で開く展示で、8月7~20日は市役所本庁舎ロビーである。

 西尾さんは、広島県立広島第一高等女学校(現皆実高)の同級生223人が8月6日、爆心地から約700メートルの広島市小網町付近で建物疎開作業中に亡くなった。安来市伯太町の母親の実家に疎開していて無事だったが、同級生の冥福と平和を祈るため、手縫いでタペストリーの制作を続ける。

 今回は灯籠を描いた作品など5枚を展示。西尾さんは「72年前に何が起きたかを伝える責任がある。多くの人に見てもらいたい」と話している。(西村萌)

(2017年8月3日朝刊掲載)

年別アーカイブ