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特攻隊の記憶語る 芦田中で上下の土田さん

海に潜るとどうしても死にたくないと思った

 第2次世界大戦中、海軍の特攻隊員だった府中市上下町の土田吉兵衛さん(89)が3日、福山市の芦田中で体験を語った。生徒約180人に命の大切さを呼び掛けた。

 土田さんは17歳から1年間、現在の呉市で、海中に潜り敵艦に直接機雷を取り付けて爆破を目指す「海軍伏竜特攻隊」の隊員だった。空腹に耐えながらの訓練など当時の暮らしを話した。

 「海に潜るとどうしても死にたくないと思った。戦争は惨めだ。つらいときは友達とよく語り合い、つないできた命を大切に」と訴えた。

 同中3年の高橋流ノ介さん(14)は「死を日常的に経験していたことに驚いた。今は考えられないことが当たり前だったのだと知った」と話していた。(高本友子)

(2017年8月4日朝刊掲載)

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