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広島で核廃絶の道筋議論 原水協など 世界大会が開幕

 日本原水協などの原水爆禁止世界大会の開幕となる国際会議が3日、広島市中区の市文化交流会館で始まった。21カ国・地域の政府や市民団体の代表たちが5日まで、7月の国連会議で採択された核兵器禁止条約を足掛かりに、核兵器廃絶への道筋を議論する。

 開会総会で、大会運営委員会の野口邦和代表は「核抑止論を否定した条約の採択は私たちの運動の成果。核兵器の廃絶へ、画期的な大会にしたい」とあいさつ。条約採択を現地で見届けた日本被団協の藤森俊希事務局次長は「唯一の戦争被爆国の日本が条約に署名するよう、政府に粘り強く働き掛ける」と強調した。

 初日は世界のヒバクシャの体験を聞き、平和運動の在り方で意見を交わした。米国による核実験が44回行われた中部太平洋のマーシャル諸島エニウェトク環礁からも初めて住民が参加。代表のモレス・アブラハムさんは「核実験の影響で私の古里の環礁北部の島には今も戻れない」と話した。

 福島第1原発事故のあった福島県で被災者の自殺率が高まっているなどとする報告もあった。

 原水禁国民会議なども4~6日、中区などで世界大会広島大会を開く。(永山啓一)

(2017年8月4日朝刊掲載)

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