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核廃絶や脱原発 道探る 原水禁など 広島大会始まる

 原水禁国民会議などの原水爆禁止世界大会の広島大会が4日、広島市中区の広島グリーンアリーナで始まった。6日までの3日間、国連会議で採択された核兵器禁止条約に基づく核兵器廃絶への道筋や、脱原発社会の実現などをテーマに議論する。日本原水協なども4日、中区の市文化交流会館などで世界大会の国際会議を続けた。

 原水禁などの開会総会で、大会実行委員長の川野浩一原水禁議長は「日本は米国の核の傘から脱却し、核のない世界の実現に向けて先頭に立つべきだ」とあいさつ。核軍縮だけでなく、原発事故の被害者を二度と出さないためのエネルギー政策の転換も、大会の重要なテーマと確認した。

 被爆者の白石多美子さん(78)=南区=は、遺体が足の踏み場のないほど路上を埋めていた被爆直後の街の様子を生々しく証言。「人間のあらゆる優しさで、平和を守りたい」と訴えた。主催者発表で約2700人が参加した。

 一方、原水協などの国際会議は全体会議と分科会を続け、核兵器のない世界への具体的な行動などについて議論した。

 米国の市民団体アメリカフレンズ奉仕委員会のジョゼフ・ガーソンさんは、禁止条約の採択後も、米国のトランプ政権の不安定化や北朝鮮の相次ぐミサイル実験などで核戦争の危険性が高まっていると主張。「被爆者の証言や展示を通し、核兵器使用の非人道性を訴え続ける市民運動が重要だ」と呼び掛けた。(永山啓一)

(2017年8月5日朝刊掲載)

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