×

ニュース

毒ガス被害者 大久野島見学 イランから訪問

 イラン・イラク戦争(1980~88年)で使われた毒ガスの後遺症にいまも苦しむイランの被害者たちが5日、竹原市忠海町の大久野島を訪れた。旧日本陸軍の毒ガス工場の歴史を伝える資料館を見学した。

 22人のうち6人が毒ガスの被害者。資料館では毒ガス製造の器具や当時の写真を見学。製造に携わった人たちも後遺症に苦しんでいることを知った。

 イラン・イラク戦争では、毒ガス攻撃でイランの兵士と市民合わせて1万3千人が亡くなったといわれる。

 資料館の見学後、呼吸困難などの後遺症があるモハマドレザ・ザヒリさん(51)は「若者に製造を手伝わせていたのは良くないことだ」と声を落とした。

 イランの被害者たちは2004年から、広島市東区のNPO法人モーストの招きで広島を訪れている。この日は、広島市役所で松井一実市長とも面会した。6日は同市中区の平和記念公園である平和記念式典に参加。その後も被爆者との交流などをして、10日に帰国する。(山田祐)

(2017年8月6日朝刊掲載)

年別アーカイブ