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被爆地の思い記者10人発信 ヒロシマ講座

 広島市主催のジャーナリスト研修「ヒロシマ講座」に参加している国内のブロック紙、地方紙の記者10人が6日、平和記念式典を取材した。被爆者や遺族の思いを聞き、各紙に載せる記事を執筆した。

 中日新聞社会部の坪井千隼記者(38)は、被爆者で物理学者の沢田昭二さん(85)=名古屋市緑区=を取材。爆心地から約1・4キロの東白島町(現広島市中区)の自宅で母光子さん=当時(36)=と被爆し、母を亡くした体験などを聞き取った。沢田さんは「家の下敷きになった母の『逃げなさい』という声は忘れられない」と語り、「今年は墓前で核兵器禁止条約の制定を報告できた。でも、日本政府の対応が歯がゆい」と答えた。

 講座は16回目。7月28日に始まり、23~38歳の受講者が、被爆証言や市の被爆体験伝承事業の概要を聞いたり、それぞれのテーマで取材したりした。坪井記者は「人間の営みは平和の上に成り立つと痛感した。今後の安全保障や原発関連の取材に役立てたい」と話していた。

(2017年8月7日朝刊掲載)

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