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平和の願い強く 広島原爆の日 島根県内

 広島市に原爆が投下されて72年となった6日、島根県内で追悼式や被爆者による核兵器廃絶に向けた署名活動などがあった。(西村萌、松本輝)

核廃絶 賛同呼び掛け 松江駅前

■署名

 県原爆被爆者協議会(原美男会長)など3団体は松江市朝日町のJR松江駅前で、核兵器を禁止し、廃絶する条約の締結を全ての国に求める「ヒバクシャ国際署名」への賛同を呼び掛けた。

 陸軍暁部隊に所属し、千田町(現広島市中区)の兵舎で被爆した小林一男さん(87)=松江市大庭町=は「同期への追悼も込め、核兵器廃絶の力に」と協力を呼び掛けた。

 署名した母衣小3年の坂本啓君(8)は「戦争のない平和な世界に」と願っていた。4時間にわたり、20人が418人の署名を集めた。9月、日本被団協を通じ国連に届ける。

鎮魂と不戦 住民祈る 江津

■追悼

 江津市有福温泉町の湯町自治会集会所であった追悼式典には、住民23人が参列。平和を願うハトのちぎり絵に折り鶴をささげ、手を合わせた。かつて、原爆被爆者有福温泉療養研究所「有福温泉荘」(2013年末閉鎖)に新聞を届けていた化粧品店経営河野法子さん(84)は「交流した被爆者の皆さんを今も思い出す。二度と戦争は起きてはいけないと強く感じる」と話した。

 松江市学園南1丁目の原爆慰霊碑前では午前8時15分、同市の被爆2世と3世計14人が黙とう。県被爆二世の会の松浦広昭会長(68)らが花を手向けた。

「象徴」 長崎から出雲に 18日まで展示

■オバマ氏の折り鶴

 出雲市戦没者追悼・平和祈念式典があった市民会館(塩冶有原町)のロビーには、1月にオバマ米大統領(当時)から長崎市に贈られた折り鶴が被爆時計などと共に並んだ。長崎原爆資料館が貸し出し、長崎県外での展示は初めて。

 参列者は添えられたメッセージを読み、赤い千代紙の鶴に見入っていた。是光章一さん(76)=出雲市常松町=は「平和のシンボルを実際に見るとオバマさんの思いも伝わり、感慨深い」と見つめていた。折り鶴は18日まで市役所本庁舎ロビーで展示される。

(2017年8月7日朝刊掲載)

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