×

ニュース

学徒「悲劇の地」 400人黙とう 碑移設予定の旧制広島市立中

 中区小網町の天満川河岸緑地にある旧制広島市立中(市中)の慰霊碑前で、犠牲になった生徒や職員を悼む慰霊祭があった。碑は近く、堤防整備に伴い後身の基町高(中区)に移されるため、現在地では最後となる。

 現在地は、建物疎開作業に動員されていた1、2年生が全滅した「悲劇の地」。慰霊祭では参列者約400人が黙とうした後、碑を管理する基町高同窓会の西林正樹会長(59)が移設を報告した。

 碑前には約370人の犠牲者を記したプレートが置かれ、遺族たちの輪が絶えなかった。1年生だった弟を亡くした中区の児玉保さん(88)は「母思いの弟の魂が眠る場所。移設は寂しいが、若い人が核廃絶の思いを継いでほしい」と願った。

 基町高生徒会長の2年永井優輝さん(17)は「先輩の平和への思いを心で受け止め、行動に移したい」と語った。(長久豪佑)

(2017年8月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ