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「幅広い市民の力 結集を」 原爆資料館元館長の原田さん

 原爆資料館(広島市中区)の元館長で被爆者の原田浩さん(78)=安佐南区=が、核兵器禁止条約をテーマにした市民集会に参加した。条約を推進させるため「被爆体験を継承していく必要がある」と訴えた。

 パネリストとして出席した原田さんは、今回の条約制定に関し、被爆地が果たした役割を評価。「ヒロシマのメッセージに力を持たせるには、市民の心に被爆体験をとどめないといけない。私も可能な限り次世代に伝えたい」と話した。

 また原爆ドーム(中区)の世界遺産登録に約165万人の署名が力になったとし、「平和活動に関心がある人の訴えだけでは世論は動かない」と指摘。条約推進の鍵は、幅広い市民の力を結集できるかどうかだと強調した。

 原田さんは6歳で被爆。1993年4月から4年間、資料館長を務めた。

 集会は市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」などが開き、約150人が来場。パネリストの一人、森滝春子共同代表(78)は、安倍晋三首相がこの日、条約に署名、批准しないと明言したことに「国際社会の動きに逆行している」と厳しく批判した。(長久豪佑)

(2017年8月7日朝刊掲載)

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