×

ニュース

平和の集い 子ども会主催 基町小 8・6登校日の代替

 広島市中区の基町小で平和の集いがあった。市立小中学校が平和学習のため「原爆の日」に設けていた登校日が今夏から消えた中、同小の子ども会が主催した。原爆が落とされた日に、平和について考える意義を地域で確かめ合った。

 児童の約6割に当たる68人と保護者、地域住民たち計約140人が参加。黙とう後、同小が取り組んでいる被爆エノキを守る活動や地域の被爆の歴史を学んだ。終了後、6年前田蓮仁(れんじ)君(12)は「去年までとは違う8・6になった。今日学んだ平和の大切さを広げていきたい」と話した。

 8月6日を市職員の休日とする市条例が本年度から市立小中学校の教員にも適用されることになり、教員の勤務を巡る法令の影響で、学校は今夏から「8・6登校日」を設けられなくなった。このため基町小では、二宮孝司校長(54)と子ども会が原爆の日の平和学習の在り方を模索。子ども会主催で、地域を巻き込んだ集会を6日に開くことを決めた。卒業生の幟町中3年の5人が準備や司会進行を手伝った。

 8・6登校日は来年以降、復活する見通しは立っていない。司会した一人、星元律樹さん(15)は「僕たちは原爆の日の登校日に平和への思いを強めた。その大切さを後輩にも知ってほしい」。子ども会世話役の植田成年さん(58)は「学校と地域、家庭が協力して平和学習を継承することに意義がある。今後も続けたい」と話していた。(栾暁雨)

(2017年8月7日朝刊掲載)

年別アーカイブ