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紛争国の教員 平和教育学ぶ 広島で17人ワークショップ

 原爆の日を前に、アフリカや中東など紛争地域から訪れた教員たちがヒロシマの平和教育を学ぶワークショップが広島市中区の市中央公民館であった。被爆地などのノウハウを学び、母国で役立ててもらう。

 パレスチナやヨルダン、チュニジア、アルジェリアなど9カ国で、教育や平和事業に携わる17人が参加。被爆証言を読んだ子どもたちが当時の状況を想像しながら絵を描く手法や平和を願う歌詞を考え、合唱する取り組みなどを広島市内の中学教諭らが紹介した。

 イスラム過激派のテロが続くモロッコから参加した高校教諭ユセフ・アルカイディさん(36)は「過去の歴史だけでなく、世界の平和のために貢献する若者を育てる方法を学び、刺激的だった。母国で実践したい」と熱心にメモを取った。

 米マサチューセッツ州が拠点のNPO法人「中東大学プロジェクト」が企画、日本の教員らでつくる平和教育地球キャンペーン中四国支部が協力した。一行は平和記念式典にも参列。プロジェクトの代表で被爆3世の日系人レイ・マツミヤさん(43)は「広島の平和学習は核被害だけでなく復興についても学べ、紛争地域の人々の希望になる」と話していた。(桑島美帆)

(2017年8月8日朝刊掲載)

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