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高画質 被爆の惨状体感 「原爆の絵」 資料館で特別展示

3925点公開 劣化受け初の保存

 被爆者が描いた「原爆の絵」を高画質の「8K」で見る特別展示が、広島市中区の原爆資料館東館1階情報コーナーで開かれている。経年劣化する資料を超高精細なデジタル画像として初めて保存し、3925点を画面上で公開している。16日まで。(三宅瞳)

 子どもをかばって黒焦げになった母親や、遺体を火葬する兵士など、被爆直後から10日間の惨状を表した絵が中心。85インチの高画質モニターで見られる。うち約千点は爆心地から半径4キロの地図上に表示されており、専用端末を使って場所や時間で検索できる。

 資料館とNHK広島放送局が同館収蔵の「原爆の絵」全4205点を超高精細なカメラで撮影、保存。作者の了解を得ている絵を公開した。約半数は42、43年前に描かれ、色あせや紙が黄ばむなど劣化しているという。

 家族で訪れた静岡県清水市のアルバイト源平典子さん(58)は「恐怖がリアルに伝わってきた。孫の世代に記憶を残すため、しっかり保存してほしい」と話した。

(2017年8月10日朝刊掲載)

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