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核禁止条約 締結求める ナガサキアピール 首長会議閉幕

 長崎市で開かれていた平和首長会議(会長・松井一実広島市長)総会は最終日の10日、核兵器廃絶と世界平和を訴える「ナガサキアピール」を採択した。国連での核兵器禁止条約制定を歓迎して全ての国に締結を求め、全加盟都市から自国の政府に参加を働き掛ける。

 松井市長がアピールを読み上げ、拍手で採択した。先月の条約制定を「『長崎を最後の被爆地に』という言葉が人類共通の願い、意志だと国際社会に示した」と評価。加盟都市が条約締結を「特に核保有国と核の傘の下にいる国々の政府に強く働き掛ける」とした。各国に、核軍縮交渉を義務づける核拡散防止条約(NPT)の順守も求めた。

 また、9月20日に各国による禁止条約の署名が始まるのを見据え、「条約の早期発効を求める特別決議」を副会長の田上富久・長崎市長の提案で採択。アピール、決議とも電子メールなどで国連と全ての国の政府に送り、加盟都市が自国での要請活動に活用する。

 閉会式では、海外からの参加者代表で副会長の英国マンチェスター市のエディ・ニューマン市長があいさつ。「禁止条約の挑戦をさらに進めるため、英国のような保有国へ核軍縮を要請する」と政府への働き掛けに意欲を示した。5月に同市のコンサート会場であったテロに触れ、首長会議の新たな行動計画でテロや難民などを扱う意義も強調した。

 松井市長は閉幕後の記者会見で、禁止条約の締約国拡大などを課題に挙げて、「今後の取り組みへの決意を総会で新たにすることができた」と総括した。

 8日からあった総会は、国内外の約150都市が出席。決定した行動計画では、廃絶の目標年の2020年へ向け禁止条約の早期締結を迫る署名推進などを盛り込んだ。次回の総会は目標年の20年の8月に広島市で開く。(水川恭輔)

(2017年8月11日朝刊掲載)

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