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新慰霊社に「戦争語り継ぐ」 尾道市御調町

 尾道市御調町の東中倉(ひがしなかくら)八幡神社の境内に、太平洋戦争で亡くなった氏子71人の慰霊社が建立された。戦後72年目にできた慰霊の場に、遺族は平和への思いを新たにしている。

 社殿はおよそ高さ180センチ、幅110センチ、奥行き140センチ。高さ90センチの台座に置かれている。中にほこらを納める。

 八幡神社では毎年11月、神楽殿に臨時の祭壇を設け慰霊祭を開いてきた。専用の社殿を求める声が高まり、昨年、寄付集めをスタート。約120万円が集まり、今年6月に完成式典を開いた。

 町遺族会の河内支部長を務める有馬孝蔵さん(79)によると、この神社がある町西部には、南方戦線で亡くなった人が多い。有馬さんの父孝則さんも1943年、ガダルカナル島で病死した。

 遺品の軍隊手帳には、ビルマ(現ミャンマー)やフィリピンなど孝則さんの足跡が記されている。「あちこち行かされ、むごたらしい」と表情を曇らす。

 慰霊社が完成し、有馬さんは「いつでもお参りでき安心する。これからも戦争の悲惨さと平和の尊さを語り継いでいく」と誓う。(村島健輔)

(2017年8月13日朝刊掲載)

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