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莞蕾命日 平和への祈り 没後40年 出身地安来で集い

 太平洋戦争後、フィリピンで戦犯として裁かれた日本人への恩赦を求めて運動した安来市出身の画家、加納莞蕾(かんらい)(1904~77年)の没後40年の命日となる15日、同市広瀬町の布部交流センターで平和の祈りコンサートがあった。

 集まった住民ら71人を前に、四女で加納美術館名誉館長の加納佳世子さん(72)が、原水爆禁止をうたい、子どもの権利を守る世界児童憲章の制定を訴えた莞蕾の活動を紹介。「他人を思いやり、感情を分かち合うと平和は近づく」と話し、原爆童話「おこりじぞう」を読み聞かせした。

 地元の広瀬中3年の山脇亮太さん(15)は、海軍の軍人として29歳で亡くなった曽祖父と、父の顔を見ることなく高校進学も断念せざるを得なかった祖父について語った。「勉強したかった当時の子どもたちの分まで学び、戦争のない世界を実現したい」と力を込めた。

 コンサートでは、島根、鳥取両県で活躍する音楽家4人が「手のひらを太陽に」「幸せなら手をたたこう」など14曲を演奏。会場の住民も一緒に歌ったり、体を動かしたりして盛り上げていた。(西村萌)

(2017年8月16日朝刊掲載)

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