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基町 復興の歩み 住民撮影写真展

 広島市中区の市営基町アパート17号棟の1階で、基町地区の戦後の歩みを伝える写真展が開かれている。住民たちが撮影した約60枚をパネルで展示している。31日まで。

 ひしめくように立つ木造長屋住宅と、公営アパートが混在する様子など、同地区の再開発が進んだ1950~70年代のモノクロ写真が中心。アパート前で風船を膨らませて遊ぶ少年たちの日常風景も紹介する。今回の会場周辺の当時の様子を捉えたパノラマ写真は初展示という。

 基町地区は戦後、原爆で家を失った多くの市民が身を寄せた。住宅環境を改善するため78年までにアパート建設が完了した。ただ、6月末時点で住民4190人のうち65歳以上の高齢化率は47%。建物の老朽化も進む。

 写真展は市立大(安佐南区)と中区が催し、アートで地域を盛り上げる「基町プロジェクト」の一環。同地区で生まれ育った安佐北区の主婦矢部幸子さん(67)は「戦後の生活は苦しかったが、近所で助け合った当時を思い出した」と懐かしんだ。午前10時~午後5時。無料。(三宅瞳)

(2017年8月22日朝刊掲載)

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