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被爆・差別…親子に切々と 安芸区で李さん体験聴く会

 広島市安芸区中野の安芸農協中須賀支店で23日、被爆体験を聴く親子学習会があった。約50人が、72年前に広島で被爆した李鐘根(イ・ジョングン)さん(88)=安佐南区=の話に耳を傾けた。

 李さんは国鉄(現JR)勤務中、広島駅近くで被爆し大やけどを負ったことや在日韓国人2世として差別された経験を説明。戦後にポーランドのアウシュビッツ強制収容所跡を訪ねたことも紹介し、殺し合いのむごさと平和の尊さを訴えた。

 中野東小6年井上達也君(12)は「死んでほしいとお母さんが願うくらい、けががひどかったと聞いて驚いた。絵日記に書きたい」と話した。

 同農協女性部中須賀支部の主催。同支部は毎年夏に工作などの親子学習会を開いているが、戦争体験の継承が難しくなってきたため初めて被爆をテーマにした。(田中伸武)

(2017年8月24日朝刊掲載)

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