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広島・カザフ 反核を発信 若者が交流 初の平和催し

 カザフスタンとの交流を続けている広島市の若者グループ、CANVaS(キャンバス)は、同国のセメイ市で現地の大学生と合同で初めての平和フォーラムを開いた。原爆と核実験という互いの核被害を報告。二度と繰り返さないよう、ホームページ(HP)を共同で作り、4カ国語で発信することを決めた。(増田咲子)

 キャンバスの6人を含む約25人が参加。安佐北区出身でキャンバス代表の会社員小麻野(こあさの)貴之さん(33)=東京都=が福島第1原発事故について報告。国民の多くが事故後、原発推進に反対するようになったことを紹介した。

 教育については「原発の危険性について踏み込んで教えていない」と指摘。原爆についても、被爆地以外では学ぶ機会が少なく、次世代への継承が課題と説明した。

 一方、セメイ市の大学生は、旧ソ連による核実験が終わって20年以上たった今も、健康被害が続いている現状を紹介。原子力の平和利用については、医療面では有効だが、核テロに使われる危険がある―などと述べた。

 その後の討論で、広島への原爆投下とカザフスタンの核実験による悲劇を継承・発信する必要があるとの考えで一致。HPの共同作成が決まった。日本語、カザフ語、ロシア語、英語で核兵器廃絶を訴えていく。

 カザフ財政経済大3年ムフタル・バイマグロフさん(21)は「セメイ市以外では核実験について詳しく知られていない。両国の若者が絆を強め、核兵器のない世界をつくりたい」。小麻野さんは「初めてのフォーラムは、これまで積み重ねてきた交流の成果。今後は、若者の相互訪問も実現させたい」と話していた。

 フォーラムは、キャンバスが昨年夏、セメイの大学生とヒロシマセメイ友好プロジェクトを結成して準備を進め、8月30日に開催した。2003年発足のキャンバスのカザフ訪問は今回で5度目。

(2012年9月24日朝刊掲載)

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