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受け入れへ調整本格化 通訳確保や滞在費に課題

 2020年東京五輪のメキシコ選手団による広島県内での事前合宿地が決まり、個別の競技団体と県、市町の具体的な調整が本格化する。通訳確保などサポート面で課題があるほか、合宿時の滞在費は原則として市町負担となる見込み。国際交流の広がりなど公費の支出に見合った成果が求められる。

 県はMOCと「コミュニケーションのサポート」を約束しており、スペイン語通訳の確保を急いでいる。少なくとも50人が必要で、外国語学部がある関西圏の大学やマツダ(広島県府中町)などメキシコに進出している県内企業の協力を求める方針でいる。

 メキシコは核軍縮の推進国で被爆地・広島のメッセージ性を高く評価。交流にも期待を寄せる。県とMOCは、原爆資料館(広島市中区)の見学や慰霊碑への献花などのほか、対外試合や学校訪問、食事会などを検討。継続的な国際交流につながるプログラムづくりを目指している。

 事前合宿で県内を訪れる選手、スタッフは26種目で計約300人。県側とMOCの基本協定では県内での宿泊や移動、食事などの滞在費は地元市町が支払う。県試算では20日間の滞在で計1億3200万円。2分の1を国が財政支援する制度はあるが、負担は小さくない。事前合宿地で18、19年に強化合宿などが行われる場合も、滞在費は事前合宿を誘致した市町の負担になる見通しという。(胡子洋)

(2017年8月30日朝刊掲載)

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