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オスプレイ搭乗招待 「参加」は18人中3人 首長すべて見送り

 防衛省が27日に米海兵隊岩国基地(岩国市)で予定している垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの体験搭乗参加をめぐり、招待された自治体で対応に差が出ている。中国四国防衛局が19日に案内状を送った広島、山口両県と岩国市、基地に近い大竹市、山口県和木、周防大島両町の首長や幹部、議長計18人のうち15人が不参加の方針。大竹市の大原豊副市長たち3人は搭乗の意向を示している。

 岩国市の福田良彦市長は20日の市議会定例会で「安全性が確認できるものではない」と不参加を表明。松本久次議長も「議会として試験飛行を認めていない」などの理由で搭乗しない。基地政策担当部長は情報収集のため搭乗を申請。「飛行する時の音を確かめたい」としている。

 大竹市では日程が合わない市長と議長は不参加だが、大原副市長は搭乗を予定。議長の代わりに副議長が搭乗する方向で調整している。大原副市長は「搭乗機会があるのなら、見ておいた方がいい」と話す。ただ、専門知識があるわけではなく、何をどうチェックするのか悩ましい面もあるという。

 上空でオスプレイの飛行が目撃された周防大島町では、情報収集の一つとして総務部長が参加予定。町長と議長は他の公務のため見送る。同町と岩国、大竹両市は他の幹部や職員の参加も申請した。

 一方、山口県の山本繁太郎知事は24日、取材に「県民の懸念を解消することにはつながらない」と乗らない意向を示した。総務部理事と議長も議会中などを理由に断った。

 広島県は「安全性が確認できるものではない」と判断し、知事、国際部長、議長が欠席。和木町も町長、副町長、議長とも公務で搭乗しないという。

(2012年9月25日朝刊掲載)

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