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中国5県も確認徹底 通過予告「外交努力を」

 北朝鮮が29日早朝に北海道上空を通過する弾道ミサイルを発射したことを受け、中国地方5県や広島市の担当課は緊張感を強めた。北朝鮮は米領グアム周辺への弾道ミサイル発射を計画し、広島、島根両県上空を通過すると9日に予告しており、中国地方も気を抜けない状況が続く。

 広島県危機管理課は、午前6時2分から3回に分けて官邸危機管理センターから届いたミサイル発射、通過、総括を伝える3通の電文を各市町に転送。湯崎英彦知事は定例会見で「機器の適切な設定や訓練、確認を続ける。日本を標的にした発射をさせない外交努力が最も大事」と強調した。

 山口県の村岡嗣政知事は南米ペルーを訪問中。午前6時10分ごろ、県危機管理監が一報を伝え、村岡知事から被害状況と連絡体制の確認を徹底するよう指示を受けたという。日本海で操業する県内の漁船などに被害がないことを確認した。庁内連絡会議も開いた。9月中に予定していた、ミサイル落下時の避難方法を示すスマートフォン向けサイトの開設を、同月上旬に早めるなどの対策を取る。

 岡山県は危機管理チーム会議を開催。約20人が、ミサイルが県上空を通過した場合の被害の把握、落下物があったときの対応などを再確認した。

 島根、鳥取両県はそれぞれ知事が参加する会議を開いた。島根は、関係部局長会議で中国電力島根原発(松江市)に異常がないことなどを報告。溝口善兵衛知事は「政府は国際社会と連携し、北朝鮮への圧力を高めると言っており、対応を注視したい」と話した。県庁を別の用事で訪れた県町村会長の石橋良治・邑南町長は「万一に備えて、県と町村がしっかり話し合わないといけない」と危機感を募らせた。

 鳥取は県幹部や県警、自衛隊関係者の連絡会議に、平井伸治知事が出張先の東京からウェブ上で参加した。平井知事は「日本上空の通過は、断じて許されない。緊張感を持って県民の安全確保に取り組みたい」と述べた。

 広島市は今月18日の全国瞬時警報システム(Jアラート)の訓練で安佐北、佐伯の2区役所で館内放送が流れなかったトラブルを受け、21日までに改善策を講じた。市危機管理課は「引き続き、24時間態勢で情報収集に努めたい」としている。

(2017年8月30日朝刊掲載)

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