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被爆体験朗読に新風 追悼祈念館ボランティア14人加入 知識学び10月デビュー

 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館(広島市中区)で被爆体験記を朗読するボランティアに新たに14人が加わった。ボランティアの高齢化で人数が減っていたため、担い手を募っていた。研修で原爆被害の実態や朗読会での心構えなどを学び、10月にデビューする。(伊藤友一)

 2004年の朗読事業開始時に募ったボランティアは当初100人ほどいたが、高齢化で一時は77人に減少。一方で、来館者の朗読ニーズは増しているため、祈念館はことし5月にボランティアを初めて追加募集した。応募した61人から面接や実技審査を経て、7月に19~67歳の劇団員や元アナウンサーたちを選んだ。

 今月3日に同館であった研修会の初回には13人が参加。叶真幹(まさき)館長たちから、同館の歴史や朗読ボランティアの活動について話を聞いた。少なくとももう2回研修を受け、朗読技術を磨いたり原爆被害に関する知識を蓄えたりする。

 東広島市の主婦道上有香さん(42)は福島第1原発事故の影響で福島県いわき市から移住し、広島で被爆体験を聞いて志した。「被爆者の無念さに共感する努力をして、自分なりに伝えたい」と意気込む。

 祈念館は14人とは別に地元民放のアナウンサー2人にも求めてボランティアになってもらい、総勢で93人を確保。館内での活動だけでなく、市内の学校や公民館にも派遣する。

(2017年8月31日朝刊掲載)

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