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沖縄でも6月緊急着陸 大分のオスプレイ エンジン交換へ

 大分県国東市の大分空港に緊急着陸した米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の垂直離着陸輸送機オスプレイが、6月に沖縄県伊江村で緊急着陸した機体と同じだったことが30日、分かった。今月5日のオーストラリア沖の墜落事故後、安全宣言して飛行継続した米軍と追認した日本政府の対応に疑問の声が出そうだ。米軍は30日、大分空港のオスプレイはエンジン交換が必要だとし当面、駐機を続ける方針を示した。

 大分県によると、米軍は防衛省九州防衛局にオスプレイの部品を31日に空港に搬入し、整備などを行うと伝えた。米軍は30日午後、機体の点検を行った。

 中国新聞が入手した写真で確認したところ、伊江村の米軍伊江島補助飛行場に6月6日に緊急着陸した機体尾翼の「8014」の番号が大分空港の機体のものと一致。撮影した伊江村職員は「大分での緊急着陸は報道で知った。同じ機体のトラブルかを国へ確認したい」とする。米軍は伊江島への緊急着陸の際、大分空港と同様に操縦席の警告灯が点灯したとして「予防着陸」と説明していた。

 今回はエンジントラブルとみられている。米海兵隊岩国基地(岩国市)から大分空港に到着した作業員らは30日午後、主翼両端の回転翼の角度を変えるなどしながら機体点検を行った。

 大分県は30日、九州防衛局に緊急着陸の原因を明らかにし、安全飛行に万全の措置を講じるように口頭で要請。沖縄県も、沖縄防衛局と在沖縄米海兵隊に口頭で原因究明までのオスプレイの飛行中止、再発防止策と安全管理の徹底を求めた。

岩国では白煙

 29日に大分空港に緊急着陸した垂直離着陸輸送機オスプレイは、同じ機体が28日にも米海兵隊岩国基地で白煙を上げるトラブルを起こしていた。

 同機は岩国基地から米軍普天間飛行場に向かう途中の29日午後6時半ごろ、大分空港に緊急着陸し、一時煙が上がった。目撃者の話や撮影された写真では、尾翼の番号が同じ「8014」の機体は28日午後、岩国基地でも白煙を上げていた。

 山口県と岩国市など2市2町でつくる県基地関係県市町連絡協議会は30日、万全な機体整備などを米側に求めるよう中国四国防衛局に要請。防衛局は安全管理の徹底を米側に申し入れたとし、「新たな情報が得られれば関係自治体に伝える」と答えたという。

 同市の住民団体「住民投票の成果を活(い)かす岩国市民の会」は同日、緊急着陸に抗議し、同型機の訓練中止を求める文書を市と国、岩国基地にファクスした。(和多正憲、松本恭治)

(2017年8月31日朝刊掲載)

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