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原爆の子の像から3万5千羽 折り鶴で「明日の神話」

 広島県三次市君田町の旧君田上小校舎を活用した市研修施設「こぶしの森 体験の館」が近く、原爆の子の像(広島市中区)に寄せられた折り鶴を素材に使って、岡本太郎の壁画「明日の神話」を表現する。ベニヤ板に折り鶴を貼り合わせていき、11月半ばの完成を目指す。(桜井邦彦)

 東京都渋谷区にある現物の壁画は縦5・5メートル、横30メートル。同館が製作する作品は、縦約1・6メートル、横約5メートルに板を組んで、絵の中央部を中心に再現する計画だ。

 折り鶴は、広島市が安芸区の市施設で保管しているものを譲り受ける。3万5千羽以上を使う見通し。作業は近く開始し、同館の来館者や、地元の君田小の全校児童72人に協力してもらう。壁画の色に合わせて折り鶴を選び、貼っていく。

 同館には折り紙作品を展示している。今回、折り紙のつながりから、平和の折り鶴を使った「明日の神話」作りを思い立った。作品は木枠に収めて体育館に展示。同館が2003年の開館からことしで10年目になるのを記念して11月下旬に予定する行事で除幕する。

 赤木賢治館長(71)は「岡本太郎さんの願いと、折り鶴に込められた平和への祈りをかみしめ、多くの人の力で作品を仕上げたい」と話している。

(2012年9月25日朝刊掲載)

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